2つの『見る』

2024.09.23

物体を見る

野球は飛んでくる球を見て、水泳はゴールに向かう自分を見ている。同じ『見る』という言葉でも何を見るかが変わってくる。

野球やバスケ、サッカーなんかは前者の方になる。対象となるものが外にあり、それを意識的に見ている。その目は実際に存在する何かを見ている。

よく『考える時間は無い、体がそう反応した』という言葉を聞く。これは飛んでくる球を最後まで見ているのではなく、途中でその後球がどうなるかの判断が正確に出来るようになっているのではないか。

自分を見る

一方で、アーチェリー、水泳、クライミングなんかは後者の『自分を見る』だと思う。一見、的やゴールといった外に対象物があるように見えるが、見ているのはその時の自身の体。

『今』自分がどんな体勢か、これにエネルギーが多く使われる。今の自分の体を常に把握し、その先のゴール、的に正しく向かっているかを常に調整している。

この調整は上手くなれば無意識にやっている。対象物にエネルギーを使っているように見えて、そこに向かう自身の体に意識は向けられる。

何を見てるか

では、スキーはどうか?後者だと思った。ボクシングは前者な気がする。そうやってみると前者は常に対象となるものが動いているのに対して、後者は対象物は静止している。

スキーでトリックをする時に見ているのはテイクオフするだろう辺りの景色。だけど実はその景色を見ている時の自分の状態がどうあるか?に意識の多くが使われる。

だから、後者は目を閉じても出来ると言われるとそうじゃない。『今の状態』を把握するために見るという行為は大事な役割。目って大事。

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書いた人

勝野天欄

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