普通
小中と普通に学校に行って学校が終わってから、もしくは土日、あとは長期休みにスキーをするというのが大体の流れだった。
冬以外は友達と釣りや川遊び、トランポリンで遊びまくった。やってる意味とかこれが何につながるとか全く頭に無くてただ面白くて、楽しくてやってた。
普通に学校に行き普通に勉強して普通に友達と遊ぶっていう素敵な過ごし方。この普通が高校2年生から少しずつ変化していく。
簡単に出来上がるプライド
高校2年生で初めて海外に行った。これが自分にとって大きな転換点だったと思う。1人で行き、表彰台に乗り、ヨーロッパの大会に招待され、雑誌の記事になった。
スキー大好き少年が海外に行くようになる。それから毎年ニュージーランド、ヨーロッパに行くようになる。学校を長期で休むこともあった。
結果を残したり記事なったり、学校で紹介されたりテレビが来たり。田舎のスキー大好き少年にプライドを植えるには十分すぎるくらいだったと思う。
ズレ
自分の中ではスキーを全力でやりつつも生活の基盤がスキーに傾いてしまうと健康的じゃないと繰り返し思っている。国内外色々な人を見て『スキーで食っていくこと』の現状を知るから。
『健康的じゃない』とスキーに頼ってはダメだと分かりつつ、普通になることは『プライド』が許さないだろうと感じる。普通が良いと言いつつ、特別視されたい感情もそこにある。
FWT出場が決まったりして嬉しい変化がある一方、それによりプライドが出来上がること、普通への距離が遠くなることへの怖さも同時に感じる。