『こいつは半端じゃない』と思ったライダー

2024.03.15

自分には出来ない

今シーズンの大会の3戦目の話。こいつはすごい、簡単に真似できるもんじゃない、自分には出来ない選択をしたライダーがいる。カナダの19歳マーカス。

もちろん滑りはすごかった。半端じゃない。けど正直あの滑りはFWTにいるライダーだと他の選手でもスキル的には出来る。だけどそれ以上にあの状況下であの選択をした彼が半端じゃないと僕は思った。

というのは3戦目の後にカットがある。ここで上位半分にいなければ落とされる。マーカスはクラッシュ、3位と来ていたので抑えて滑れば確実に進める位置にいた。逆に今回コケれば落ちる。

自分のスタイル

攻める必要のない、普通だったら『まぁここは抑えていくか〜』とカットのことを考えたりする。特に彼の状況ではコケたら終わり、滑り切れば通過という位置だったから尚更。

だけど試合前に彼と話していると『いや〜、俺は表彰台乗りたいし、自分のベストを尽くした滑りがしたいよ〜』と言っていた。結果は見事優勝。カットも余裕で超えていった。

あの『コケたら終わり、攻める必要はない』状況を横で知っていたから、リスクを取った滑りをして優勝したのを見てとんでもないと思った。彼の決断、選択に。実力も。

決断

彼は自分のスタイルを貫いている気がする。彼はコケるか、表彰台かのスタイル。見ていて盛り上がりやすい。そのスタイルがあの状況でも変わらなかったことに衝撃を受けた。

自分は自分のスタイルで滑っているというよりもカットに残りたい、勝てるランとかを考えて滑っているのがここ最近。彼を見ていると自分は反対側にいるような気がした。

真似すれば良い、一か八かスタイルで滑れば良い、確かにそれもある。でもそれで消えていく選手もここにいると見える。とにかく現場にいるとそれらが見える。

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書いた人

勝野天欄

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